2022年2月27日に放送の「ザ・ノンフィクション」で神奈川県の横浜市にある家具製作貸家の『秋山木工』が特集されましたが、その「丁稚奉公制度」がヤバすぎると話題です。
まさに刑務所のような、今の時代では考えられない制度じゃないかと騒がれています。
そんな秋山木工が行う丁稚制度を詳しく見ていくとともに、あまりのキツさで辞めた方がいるのか?卒業生はその後どうなったのかきになったので見ていきたいと思います!
秋山木工のパワハラで卒業した人の本音は?
現在、秋山木工を卒業された方の意見や感想は見当たりませんでした。
しかし、卒業生ではないのですが、入社して6ヶ月の方の声は見つけることができました。
入社して6カ月経ちました。たくさんのことを学ばせていただいています。けれど、6カ月で私がわかったことはたった一つしかありません。それは、“目の前の人が喜んでいると、私も嬉しい”ということです
講演会参加者のブログより
かなり良い感想ですね。
ただ、こちら2012年3月23日に開催された秋山木工の講演会での丁稚の方のコメントになります。
つまり今から10年前。
もしこの方が続いているとしたら今は10年目なのでランクとしては独立しても良いレベルですね。
まあ講演会の場なので流石に会社の真実は言うわけないので信憑性には欠けると思いますが、、、
秋山木工の丁稚制度とは?
秋山木工は完成度の高い商品を制作するためには「職人の人格が大切」だと考えているようで、そのため丁稚制度を導入しています。
『一流の心と体なくして技術なし』
これは秋山木工のウェブサイトに書いてあるスローガンなのですが、ここからも分かるように、単に技術を磨くのを優先するのではなく、そのための基礎基本を非常に重要視しているのが見て取れますね!
丁稚制度の具体的な流れは以下の通り。
1年目:丁稚見習い
2~5年目:丁稚
6~8年目:職人
9年目~:独立
しっかり継続していければ将来独立するレベルにまで技術を身につけられるのでしょうか。
こちらの通り、秋山木工では恋愛禁止で女性でも丸坊主にされてしまうそうです。。
(丸坊主にされたら女性だって恋愛しづらでしょう)
さらにプライベートで携帯の使用も禁止されているようです。
(今の時代考えられないですね。。。)
そのあまりの常識離れした社内制度として「相撲部屋」とか「パワハラ」などと世間からは言われています。
まあ冷静に一般的な基準で考えていればまさに「異常」と見えてしまうのかもしれません。
また、秋山木工には職人が心得として叩き込まれる「職人心得三十箇条」なるものあります。
この『職人心得三十箇条』がこちら
1.あいさつの出来た人から現場に行かせてもらえます。
あいさつはコミュニケーションの第一歩です。また、人との信頼関係を築く上で大切です。
2.連絡/報告/相談の出来た人から現場に行かせてもらえます。
常に連絡・報告することで、指示を出した方に安心していただき、何かあった時にすぐに対処を取ることができます。
3.明るい人から現場に行かせてもらえます。
明るい職人さんの周りにはお客様が集まり、お仕事がいただけます。
4.周りをイライラさせない人から現場に行かせてもらえます。
お仕事は、チームプレイです。集団行動の中で人をイライラさせないために周りに合わせ、協調性のある行動を取ることが大切です。
5.人の言う事を正確に聞ける人から現場に行かせてもらえます。
指示された内容を正確に理解し、素直に行動に移すことが大切です。
6.愛想よく出来る人から現場に行かせてもらえます。
いつも愛想よくしていると、周りの方々に気持ち良くお仕事をしていただけます。
7.責任を持てる人から現場に行かせてもらえます。
仕事に失敗は許されません。常に緊張感を持ち、最後までやり抜くことが大切です。
8.返事をきっちり出来る人から現場に行かせてもらえます。
分かっているのか、いないのか、意思表示をすることで仕事のミスをなくします。
9.思いやりがある人から現場に行かせてもらえます。
常に相手のことを自分のように考え、行動することが大切です。
10.おせっかいな人から現場に行かせてもらえます。
人の幸せだけを願い行動することが大切です。
11.しつこい人から現場に行かせてもらえます。
人間の限界を決めず、技術も人間性もとことん追求していくことが大切です。
12.時間を気に出来る人から現場に行かせてもらえます。
時間はお金よりも大切なものだと言われます。もたもたしている人は一流の職人にはなれません。また、時間を守ることは人から信頼していただけます。
13.道具の整備がいつもされてる人から現場に行かせてもらえます。
道具を整備していることで、すぐに仕事にとりかかることができます。また、道具は実家からの仕送りで買わせていただいています。整備をすることで感謝の気持ちを表します。
14.おそうじ、かたづけの上手な人から現場に行かせてもらえます。
おそうじ、かたづけは仕事の最後の仕上げであり、 次の仕事への段取りになるので大切です。
15.今の自分の立場が明確な人から現場に行かせてもらえます。
今の自分の立場をわきまえることで、常に謙虚でいられます。
16.前向きに事を考えられる人から現場に行かせてもらえます。
後ろ向きに考えても前に進めません。これからどうなりたいのか、また、そのためにはどうすべきかを考え、成長し続ける事が大切です。
17.感謝の出来る人から現場に行かせてもらえます。
人は一人では生きていけません。常に周りの人に支えていただいていることに感謝し、その感謝を行動に移すことが大切です。
18.身だしなみの出来てる人から現場に行かせてもらえます。
身だしなみは社会人としての最低限のマナーであり、また、気持ちよく安全に作業するために大切です。
19.お手伝いの出来る人から現場に行かせてもらえます。
周りをよく見て、人が何をして欲しいのか察知して動けることが大切です。
20.自己紹介が出来る人から現場に行かせてもらえます。
自己を見つめ直し、自分を相手に知っていただくことが大切です。
21.自慢の出来る人から現場に行かせてもらえます。
お客様のために、どのようなものを、どんな工夫をして作ったのか説明できることが大切です。
22.意見が言える人から現場に行かせてもらえます。
意見を出し合うことで、素早く良い物を作ることができます。
23.お手紙をこまめに出せる人から現場に行かせてもらえます。
親には近況報告をし、お礼状をこまめに書くことで感謝の気持ちを伝えることができます。
24.トイレそうじが出来る人から現場に行かせてもらえます。
一番よく汚れる場所を磨くことで、自分の心も磨かれます。
25.道具を上手に使える人から現場に行かせてもらえます。
道具を自分の手足のように使えることで、お客様に感動していただける物を作ることができます。
26.電話を上手にかける事が出来る人から現場に行かせてもらえます。
相手の顔が見えない分、簡潔に分かりやすく伝えることが大切です。
27.食べるのが早い人から現場に行かせてもらえます。
食べることにも段取りが必要です。何事も集中して、おいしくいただく癖を付けることで仕事のスピードが上がります。
28.お金を大事に使える人から現場に行かせてもらえます。
丁稚見習い達は今、秋山学校からの奨学金と実家からの仕送りで生活しております。お金の生まれる過程を正確に理解し、感謝して使うことが大切です。
29.そろばんの出来る人から現場に行かせてもらえます。
頭の回転や、計算を早くすることで仕事の効率が上がります。
30.レポートがわかりやすい人から現場に行かせてもらえます。
その日学んだことを頭の中で製整理し、分かりやすく書こうとすることでもう一度身に付 き、 日々自分を高めることができます。
凄まじい社訓ですね(笑)
秋山木工は創業1971年の会社であり、今年で創業51年目なんです。
めちゃくちゃ歴史ある会社であることは間違いないですよね。
10年で9割の会社が倒産するという統計もありますから、これだけ長きに渡って存続しているのにも需要があり、たしかな経営基盤と教育の上になりたっているのではないでしょうか。
一概に外から見て「パワハラだ」「時代錯誤だ」「不当だ」と騒ぐことも、もしかしたらお門違いなのかもしれませんね。
コメント